オープンリール・テープが良い音である本当の理由|当店は高価買取いたします

いま、生演奏以外で音楽を楽しもうと思うと、そのほとんどがデジタル化された音となっています。CDはもちろん、ストリーミングもダウンロードも、そしてYouTube のような動画配信サイトも、インターネットを介して聴く音楽はすべてデジタル化された音です。そして、デジタル・メディアは高性能なだけでなく取り扱いやすく手軽。聞き分けのいい長男のようで手がかかりません。実にいい子です。

デジタルの反対はアナログですが、音楽のアナログ・メディア…つまりレコードやテープは、針の交換、調整やメンテナンスの必要性、メディアの保管方法など、とにかく手間がかかります。わんぱくな次男坊のようで困ったもんです。

絶滅したかに思われたオープンリールのデッキですが、最近なんと新製品が次々と発表される状態で、ソフトもかつての名盤がオープンロールでソフト化されて再発されるまでに至っています。ジョン・コルトレーン『至上の愛』が2022年にオープンリール・テープで復刻されたって、ご存じでしたか?(とても高額にてメーカー販売されていました。限定販売ですが、当店ではすでに高価買取いたします。)

アナログ・メディアで音楽を楽しむファンは後を絶ちません。ある程度以上のオーディオ・ファンとなると、アナログにまったく手を出さない人のほうがむしろ少数派ではないでしょうか。

なぜ音楽となるとアナログは好まれるのでしょう。今回は、アナログ最高峰とも言えるオープンリールが良い音である「本当」の理由について掘り下げてみます。

●波形の記録の仕方が違うアナログとデジタル

そもそも音楽のアナログとデジタルって、何が違うのでしょう。ひと言でいうなら、アナログ録音は音の波形をそのまま記録し、デジタル録音は音の波形を標本化してから記録します。

意味がよく分からなかったですよね?では、身長3センチの生きたスーパーマ〇オがいたとして、そのブロンズ像を作る、こういう例を持ち出して説明します。

アナログ録音は、このスーパー〇リオ君に粘土をベチャッと押し当て、マリオ君そのものの鋳型を作る、こういうイメージです。

一方のデジタル録音は、そのまま写し取るのではなく、いちど方眼状のマス目のように数値化してからマ〇オ君を写し取ります。昔のマ〇オ君って、カクカクとキャラクターがドット化されていたじゃないですか。あれを音声に当てはめたものがデジタル録音です。

もちろん、デジタル音声は昔のマ〇オ君ほどカクカクしているわけではありません。CDの場合、そのサンプリング周波数は44.1kHz、つまり1秒を44100回に分割したマス目になります。そのマス目のカクカクさがどのように聴こえるかは、CDを聴いた通りです。CDを聴いて音がカクカクしていると思う人はほとんどいないでしょう。しかし、アナログと聴き比べると、音が何かが違うように感じます。どこまで方眼のマス目を細かくしても、そのまま粘土ベチャには永遠に追いつかないのも事実です。

●高い音は、実はオープンリール・テープの方がたくさん入っている

単純に「アナログとデジタル、どっちの音が良いの?」という比較はできません。音の良し悪しの判断はひとつのポイントだけではありませんし、そもそもアナログと言ってもすべてが同じ品質とは限らず、それはデジタルも同様です。

そこで比較対象と比較するポイントを限定してみます。OTARI MTR-10 というオープンリール・デッキを1/2 インチ76cm/s で録音した場合と、CDの周波数特性を比較すると、どうなるのでしょう。前者は、誤差が±2dBの範囲で、40Hzから28kHzまで収録できます。また、28kHz以上の音が入っていないわけではなく、ロールオフしながらもそれ以上の音が記録されています。一方のCDは、そもそも20kHz以上の高い音を収音できません。この対決、高い音の収音という意味では、なんと手のかかる次男坊アナログ君の方が、手のかからない長男デジ男より優秀なのです。

ただし、これはあくまで両者をこの条件で比較した場合です。今回テープ側のリファレンスに設定した1/2インチ76cm/s は、プロの録音現場で使われていたミックスダウンの基本フォーマットですが、市販されているオープンリールのソフトは1/4インチ38cm/s であり、今回よりも数値が下がります。一方のデジタルも、現状の主流はPCM録音ですが、これをDSDという方式にすると、ざっと100キロヘルツまで収音できます。

だから今回の比較はあくまで大まかなものですが、「良いアナログ音源の場合、私たちが普段よく耳にするデジタル録音より、原理的には高い音がいっぱい入っている」とは言えます。そしてここでいう良いアナログの最高峰が、オープンリールというわけです。

●アナログのテープ録音は、実はかなりいい加減

マ〇オ君をそのまま粘土に押しつけて鋳型を取るように、音をそのままの形で記録でき、かつ高域はいっぱい入っているなら、手はかかるにしても音はアナログの圧勝な気がするじゃないですか。しかし世の中そう単純ではありません。プロのスタジオ録音がアナログからデジタルに変わったのは、便利が理由ではなく、実際に音質面での長所が多かったからでしょう。実に次男坊のアナログ君はやんちゃ坊主なのです。

アナログのテープ録音は、磁気録音という特性上の弱点を色々と持っています。むずかしい言葉を使うと「ヘッドの渦電流損失」とか「ギャップ損失」とか色々あるのですが、そんな事をここでこまかく説明しても誰も読んでくれません。ただ、理論値だけではないマイナス面がテープには多く、この面ではデジタルに惨敗の箇所もたくさんあると覚えておいてください。たとえば、カセットテープの「サーッ」というノイズが気になる人も多いですよね?あれはデジタルにはありません。

そこで、ひとつだけアナログ・テープのやんちゃ具合がよく分かる点を紹介しておきます。アナログのテープ録音は、必ずイコライザーで電気補正されているという事です。イコライザーを使っているって、もうその時点で原音をいじっているではないですか。

テープ録音は、磁気テープを磁化する事で録音を行います。この磁化のされ方は物理法則に従うもので、人間が勝手に変えることが出来ません。磁化曲線と呼ばれるものの平らな場所を録音に利用できるよう工夫するのですが(それがバイアス調整)、それでも人間の聴覚範囲すべてをひとつの磁化曲線の平らな部分でカバーできません。そこで、低域と高域をイコライジングする事で、人間の可聴範囲を平滑にしています。

こういうラフさが、アナログのテープ録音にはたくさんあります。しかしこのラフさが完全な悪かというと、実はアナログ録音の良さにも繋がっていると私は思っています。音楽的な音って、実はこういうアナログ的な傾向にあるものではないかと、個人的には思っています。なぜなら…

●弱点があってなおアナログ・テープの録音を「良い音」と感じられる人が多いわけ

これだけの弱点がありながら、なおアナログの録音を良いと感じる人が多い理由は、優秀な才女よりも、手のかかる悪女が好きだからとか、そういうわけではないでしょう。突き詰めれば「アナログの音が好きだから」だと思います。しかしこの解答では「アナログの音が良いのはアナログだから」みたいになってしまうので、言葉を変えてみます。それが「音楽的」で「あたたかい」音だから。

それでは、「あたたかい音」とは何でしょうか。すべて説明するのは大変なので、周波数帯という側面だけからそれを説明してみます。

音楽的な音がどのように感じられるかは、周波数帯にも依存しています。「良い音」の因数は色々とあり、音が前に感じられるのは800Hzから2kHzあたりの高さの音。輪郭のはっきりした音を感じるのは1~2kHzあたり。厚みを感じるのは100~300Hzあたりです。さらに、良い音とされるコンサート・ホールの響きは、7kHzあたりから緩やかにロールオフして、高い音が殺されます。

というわけで、実は、「あたたかい音」というものには、それほどの高域特性は必要ではないんですよね。たまに「アナログ録音は高域がたくさん記録されているから音が良い」という言説を目にする事があります。高域が録音されていることは確かですが、果たしてそれがアナログ録音の良さかというと、そいつは怪しいです。だって、人間の耳は、優秀な人でも20kHz以上は聴こえないのです。それは20kHzの正弦波を出して見ると分かります。レコーディング・エンジニアですら、「え?いま音が鳴ってるの?」となりますから。

むしろ、高域が緩やかにロールオフしている事、中低域が充実している事、ここが重要な因子でしょう。もちろん、実際の音を符号化せずにそのまま記録している点も大きいです。

●オープンリール・テープが「良い音」に聴こえるもうひとつの可能性

もうひとつ、オープンリール・テープが良いと感じられる理由になっているかも知れない事があります。そもそもある時代まで、音楽のマスター・テープはオープンリール・テープに録音されていたのです。

90年代なかば、プロの録音現場にPro Tools というハード・ディスク・レコーダーが登場し、以降プロ録音のほとんどがハードディスク・レコーディングとなりました。しかしそれ以前となるロックやジャズが黄金時代を迎えた50年代から70年代にかけて、録音はテープ・メディアで行われていました。「あれ?スティーヴィー・ワンダーやハービー・ハンコックの録音がデジタルという事は、ロックもジャズも80年代にはデジタルになったんじゃないの?」と思った方は鋭いです。たしかにデジタル録音は80年代にはじまったのですが、デジタル録音時代ですら、マルチトラック録音をトラック・ダウンして作られる最終的なマスター・テープは、オープンリールのアナログ・テープに録音される事がほとんどでした。海外は分かりませんが、少なくとも日本では2000年になってもなお、マスター・テープはオープンリールのアナログ・テープでした。

最終的なレコードになる前のマスター・テープ自体がオープンリールのテープなのですから、プロのスタジオで最終的に仕上がった音にもっとも近いのも、アナログ・テープという事になります。「これが一番いい音だ」と結論されたもの、これが一番いいに決まってるじゃありませんか。

ただし、プロのマスター・テープは、76cm/s(30inch/s)の1/2 inchが普通です。ですから、市販されているオープンリール・テープが、プロのマスター・テープとまったく同じであるわけではありませんので、あしからず。

●オープンリール・テープの処分は、ぜひ誠実買取店の音機館大阪本店にお売りください。

いかがでしたでしょうか。というわけで、当店では、オープンリールのデッキもテープも取り扱っております。処分したいという方も、音機館にお任せいただければ、誠意をもって買取査定をさせていただきます。ぜひ音機館のご利用をご検討ください。


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