日本のアニメ・サントラとクラシック その魅惑の関係|大阪でレコードを高価買取

私には日本語を話せる外国の友人がいますが、なぜ日本語を学ぶ気になったのかを訊くと、決まって「子供のころに日本のアニメに夢中になったから」と返事されます。そのぐらい戦後の日本アニメーションは、日本文化の象徴的なものとなったのでしょう。

日本の国産アニメ文化が本格化したのは戦後の事で、そこから音楽だけを取り出すと、時代の世相や日本の文化的な流れを見ることが出来ます。クラシック音楽との関係も、そのひとつでしょう。戦後初の連続テレビアニメ「鉄腕アトム」を手掛けた手塚治虫がディズニーのアニメーションを愛好していた事は有名です。その手塚が「50回は観た」と語るディズニー世界初の劇場用アニメ「白雪姫」(1937) は、作品自体がオペラ調で作られており、セリフは時にアリア、時に歌曲となり、その音楽は管弦楽曲でした。手塚治虫は大阪に馴染みが深いですよね。なので、当店は手塚治虫をはじめ当時のアニメのレコードを高価買取中です。


●手塚アニメとオペラ/ミュージカルの関係【冨田勲/ジャングル大帝】1965

手塚アニメとクラシックの関係で最初にあげたいのが1965年制作のテレビアニメ『ジャングル大帝』です。

手塚が強く影響を受けた初期ディズニー・アニメの音楽は、バレエ音楽や映画音楽を手本に作られていました。ストラヴィンスキーの曲をそのまま使ったものもあります。これらの音楽は管弦楽法を修めた作曲達が書き上げた音楽であり、音楽だけを取り出してもひとつの作品として成立するほど完成されたスコアを持っていました。チャイコフスキーによるバレエ音楽『白鳥の湖』を思い浮かべても、戦中に作られた映画『風と共に去りぬ』を思い浮かべても、それが音楽だけでも立派な作品である事が分かると思います。映像と音楽が対等に近い関係で作られた作品だったわけです。

こうした伝統を受け継いで作られたのが、1965年制作の『ジャングル大帝』でした。日本初のカラーテレビアニメ・シリーズとして制作されたこのアニメの音楽を担当したのは冨田勲。クラシック調を主軸にしたこのアニメ音楽の驚異は、各エピソードの放送ごとに新たな音楽が作曲・録音された事です。「ジャングル大帝」のオープニングやエンディングの音楽を聴いた事がある方は、その音楽の素晴らしさが分かる事と思いますが、毎週それに匹敵するクオリティの楽曲が追加され続けた事に驚きを禁じえません。戦後に作られたテレビアニメの音楽の最高傑作を問われたら、私なら間違いなく冨田勲による「ジャングル大帝」のサウンドトラックを挙げます。

「ジャングル大帝」のサウンドトラック盤は、何種類かが存在します。歌曲を中心に収録されたのが『ジャングル大帝ヒット・パレード』(日本コロムビア, 1966) で、楽曲だけでなく、エンディングで聴かれた弘田三枝子の素晴らしい歌声も堪能できます。

もうひとつ挙げておきたいのが、手塚治虫生誕70周年記念として発売された4枚組CDボックス『ジャングル大帝1965-66 TVオリジナル・サウンドトラック』(バンダイ, 1999) です。このボックスは豪華なブックレットなども見事ですが、なにより各話ごとに作られ続けたサウンド・トラックを可能な限り収録した点が素晴らしいです。このボックス、発表からしばらくして回収された事もあり、今では大変なプレミアとなっています。もちろん、レコードにもプレミア盤がたくさんあります。

●手塚アニメに起用されたもうひとりの天才作曲家【樋口康雄/火の鳥2772】1980


手塚アニメは以降も劇場アニメ『千夜一夜物語』などで冨田を起用し続けましたが、手塚アニメに起用された作曲家で、どうしても紹介したい人物がもうひとりいます。1980年制作の劇場アニメ「火の鳥2772愛のコスモゾーン」で音楽監督を務めた樋口康雄です。「火の鳥」は手塚治虫を代表するコミックですが、この映画はそのうちいくつかのエピソードをまとめています。ぜひ見ていただきたいのが冒頭の約10分。主人公が育児ロボットに育てられて成長するさまが、セリフなしの音楽とアニメーションだけで表現されます。このストーリー展開と音楽が完全にリンク、しかも音楽はノンストップです。

樋口は管弦楽曲から室内楽までを書く生粋の現代音楽作曲家で、純音楽にも素晴らしい作品を残しています。もちろん本作の音楽も絶品で、これだけのレベルにある作曲家を音楽監督に起用できたことは、日本のアニメ・サントラの歴史にとって大変な幸福だったのではないでしょうか。

『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』のサウンドトラックLPレコードは、今ではプレミア化しています。復刻されたCDもまたLP以上のプレミアがついており、映画自体のDVDやBlu-Ray よりも高い状況です。

●特撮ヒーロー番組へのクラシックの登場【冬木透/ウルトラセブン】1967

子供向け番組での管弦楽の使用は、アニメに留まりませんでした。ゴジラに並ぶ日本の特撮キラーコンテンツとなったウルトラマン・シリーズも、最高傑作と言われる「ウルトラセブン」以降は、サウンドトラックレコードが見事にクラシカルです。

スコアを手掛けたのは冬木透。冬木の起用は74年制作「ウルトラマンレオ」まで続きましたが、作品のクオリティは徐々に落ち、シリーズ作品からのBGMの流用も目立つようになっていきました。この中で、製作過程で追加のBGM収録も行われた「ウルトラセブン」の音楽は、明らかにレベルが高いです。地球と衝突する状況となった宇宙都市の描写に使われた音楽、フルートが延々と下降ラインを描く不安描写BGMなどは絶品。シューマンのピアノ協奏曲の使用が有名な最終回も、実はその後に使われたアダージョのメインテーマ変奏が見事で、この音楽は最終回にしか使われていません。このドラマで音楽がどれだけ重要視されていたかの証ではないでしょうか。

●アニメ・サントラ組曲化の先鞭【宮川泰/宇宙戦艦ヤマト】1974

クラシックの世界では、バレエ音楽やオペラや舞台音楽などのために作られたスコアを、演奏会用に新たにアレンジして組曲化する事があります。有名な「カルメン」も、ビゼーの書いた劇中音楽を組み合わせた組曲がいくつか作られました。アニメ・サントラが同じ道をたどる事は時間の問題でしたが、その先鞭となったのがSFアニメ「宇宙戦艦ヤマト」でした。作曲は宮川泰。小坂明子「あなた」のアレンジなどを手掛けた作編曲家です。

このテレビシリーズの初回放送は74年でしたが、再放送が行われて人気に火がつき、劇場版やシリーズ化が行われ、3年遅れでついに組曲化に至りました。それが『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』(日本コロムビア, 1977) で、アニメのBGMとして流れていたものとは雲泥の差となる素晴らしいスコアと演奏・録音です。はじめて聴いた時には、子供向けのレベルをはるかに超えた迫力に圧倒されました。

●クラシック系アニメ・サントラの巨匠【羽田健太郎/ウィザードリィ】

クラシック系アニメ・サントラを創り出した名作曲家は何人もいますが、その代表格は羽田健太郎でしょう。羽田はアニメ以外の劇伴も多数手がけていますが、1982年制作「超時空要塞マクロス」のサントラで賞を取るなど、アニメ・サントラへの貢献も素晴らしいものでした。

羽田のクラシック系劇伴とどうしても推薦したいのが、ロールプレイング・ゲーム「ウィザードリィ」日本版のサントラです。このゲーム・シリーズは色々なプラットフォームでリメイクされましたが、PlayStation では複数作品が「ウィザードリィ リルガミンサーガ」「ウィザードリィ ニューエイジオブリルガミン」というふたつにまとめられ、音楽もあらたに生演奏されました。騎士と魔法というファンタジー的内容を持つゲームに充てられた音楽は、十字軍時代の民間音楽やパーセルの古楽など、単純にクラシック的な作曲技法を使ったというだけではない深さを持つ音楽でした。

その高い音楽と演奏の素晴らしさはファンの人気を集め、サントラCD『ウィザードリィ リルガミンサーガ』はいまだに数万の値をつけるプレミアCDとなっています。

●アニメ・サントラと印象派クラシックの関係【星勝/うる星やつら2】1984

アニメだけでなく、ハリウッド映画にしてもミュージカルにしても、劇音楽では現代どころか近代音楽の手法すら用いられる事は少なく、19世紀以前に流行したロマン派の技法で作られたものがほとんどです。この前提が破られやすいのは、作品内容からロマン派音楽でない音楽が要求される場合です。SF映画などはこの状況となる事があり、リゲティの現代曲が使われた映画『2001年宇宙の旅』や、ジェリー・ゴールドスミス生涯きっての前衛作品『猿の惑星』などはその例です。そして、夢の中である一日を繰りかえすという内容を持つ押井守の代表的アニメ『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』も、既存の作曲技法を乗り越える条件を持つものでした。

19世紀末から20世紀初頭のフランスで、印象派音楽が一世を風靡しました。ドビュッシーとフォーレがその代表的な作曲家です。ロマン派音楽では、ドミソという音の積み方を基本に、ドミナント進行という和声進行をベースにした機能和声法という作曲技法が使われていました。基調の支配力が強く、和音の響きも「機能和声的」になる作曲技法です。対する印象派音楽は、ドファシという間隔での音の積み方や機能和声法に縛られない進行など、違った色彩感覚を持つ音楽を生み出しました。油絵のように強い機能和声に比べ、水彩画のように淡くフワフワと浮かんだような音楽です。

グループ・サウンズのモップス出身の星勝は、夢の中を泳ぐこの映画に、印象派音楽の技法を持ち込みました。中にはドビュッシーの某曲のテーマメロディを裏返したものも使われていますが、これは作曲家からの謎かけかも知れません。

このアニメ映画自体が実に素晴らしい映画なのですが、その幻想的な雰囲気を増幅したものは間違いなく音楽でしょう。サントラ盤LPは常識的な価格で取引されていますが、CDは今も1万円越えのプレミアがつく人気ぶりです。

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アニメのサントラ盤の世界は深いです。日本が世界的なアニメ大国になった今、週に80タイトル以上の作品が放送されています。中には作品やサントラの質が高いにも関わらず人気が出なかった作品もあり、こういうものが後年に再評価されると、サントラ盤は思わぬプレミアレコード・CDとなる事も珍しくありません。また、人気を集めた作品でも復刻されない事は良くあり、これもアニメ・サントラのプレミア化に繋がっています。

当店は、アニメのサントラ盤CD・レコードも扱っています。処分を検討なさっているようでしたら、音機館にお任せいただけませんでしょうか。誠意あるレコードやCDの買取査定をさせていただきます。


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