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音機館ジャズ|オーディオ史に残る名器、マッキントッシュMC275

2016/07/11

今回はオーディオ史に残る名器として、マッキントッシュのMC275を取り上げたいと思います。
MC275以外にも少々触れますが、これらのビンテージ真空管アンプ時代のマッキントッシュを考察すれば、
トランジスター・アンプになってからのマッキントッシュの総体も見えて参ります。

 

1・マッキントッシュMC275登場の背景

マッキントッシュは大出力を誇る真空管アンプとして、マランツの#2、#9共々に、1950年代後半から
アメリカ国内を中心に注目をされていました。
1950年代の後半にマッキントッシュ社は、出力管に6L6GCを用いたMC30、6550を用いたMC60を開発、販売していましたが、
その2機種は、群を抜くスピーカーのドライブ能力を有していました。
当時のスピーカーは、オール・ホーン型のものが多く、高能率のスピーカーも多かったのですが、
例えばイギリスのタンノイ・オートグラフ、アメリカにおけるエレクトロ・ボイスのパトリシアン600の様な大きなスピーカーもあり、
そうした巨大なスピーカーを十分に鳴らしきる為には、スピーカーを「箱鳴り」させる必要がありました。
それを踏まえますと、小出力のパワー・アンプでは、「箱鳴り」をさせることができず、スピーカーから
出てきた音楽に生命力を宿すことが不可能でした。
そうしたことから、マッキントッシュ社は巨大なオール・ホーン型のスピーカーを十分に鳴らすことを目的として、
MC30やMC60の様な、高いドライブ能力をもったパワー・アンプを開発し、販売していました。
されど、1960年代に入ってから、スピーカー・メーカーにもアンプ・メーカーにも「コスト」という概念が定着しました。
コストを度外視して製品を作っていたのでは、会社の存在自体が危うくなります。
そうしたことから、製造コストが高いオール・ホーン型のスピーカーは徐々に消え去っていきました。
アンプ・メーカーであるマッキントッシュ社も例外ではなく、コストを度外視して作ったMC30とMC60に代わる
パワー・アンプを開発せざるを得なかったのです。
そこで、マッキントッシュ社はステレオ型のパワー・アンプの開発、販売に踏み切りました。
そして、MC275やMC240と言ったステレオ型のパワー・アンプが登場しました(MC75、MC40という
モノラル機もありましたが、その生産台数は少なかったのです)。
マッキントッシュのライバルであるマランツは、#8(B)を除けばモノラル型を堅持していましたが、
コスト高の為に、会社が行き詰まってしまいました。

 

2・マッキントッシュ真空管アンプの大いなる遺産

筆者はMC275を愛器とし、MC30もMC60も使用していたから解るのですが、MC275の方が、スピーカーのドライブ能力は
MC30とMC60より低いのです。
また、整流管を用いたMC30とMC60の方が、音が瑞々しくて良いと思います。
ですが、マッキントッシュ社は、スピーカーのドライブ能力が落ちようとも、音質が落ちようとも、
なかば強引にステレオ・パワー・アンプに切り替えました。
ただ、マッキントッシュ社には、それでも十分なドライブ能力と音質の良さを併せ持った技術があったのです。
それが、ユニティ・カップルド・サーキットという回路なのです。
このユニティ・カップルド・サーキットは未だにその全てが解明されてはおらず、筆者自身もユニティ・カップルド・サーキットに
関するウンチクを語る術がありません。
オーディオ評論家の弁も当てにはならず、多分、ユニティ・カップルド・サーキットを一番解明している人は、
極めて優秀な一握りのビンテージ・マッキントッシュの修理屋さんでしょう。
しかし、これだけは断言できます。ユニティ・カップルド・サーキットとは、極めて効率よく(短時間で)音楽信号を流せる回路である、と。
このユニティ・カップルド・サーキットが、MC275、MC240、MC225と言ったステレオ機にも搭載可能であったことにより、
後のマッキントッシュのアンプづくりにおける大きな遺産となったのです。

 

3・トランジスター・アンプにおけるマッキントッシュ

時代は変わり、大方が真空管アンプからトランジスター・アンプへと変更されていきました。
ですが、真空管アンプからトランジスター・アンプへ巧く切り替えられたのは、クォードもありますが、
何と言ってもマッキントッシュになるでしょう。
マッキントッシュ社はMC2300の開発に当たって、ユニティ・カップルド・サーキットにアレンジを施した回路を搭載しました。
すなわち、大出力を保証し、極めて効率よく(短時間で)音楽信号を流せる回路です。
現に、マッキントッシュのトランジスター・パワー・アンプは、他社のパワー・アンプに比べるとNFBを余りかけられていないのです。
また、マッキントッシュがトランジスター・アンプになってもアウトプット・トランスを搭載している理由を簡単に述べます。
マッキントッシュ社のゴードン・J・ガウ氏が言ったように、「音が良いから」、ということがあるのかも知れません。
ただ、某オーディオ評論家の弁による、「アウトプット・トランスを搭載しているから、如何なるインピーダンスにおいても
同一の出力を保証する」、というものは真空管アンプならOTLのものを除けば当然のことであって、的を射ていません。
最大の理由は、NFBを余りかけることなく、大出力と共に極めて効率よく(短時間で)音楽信号を流せる回路を搭載している以上、
アウトプット・トランスにより動作を安定させることを目的としていることにあります。
これが現在までのマッキントッシュのトランジスター・パワー・アンプに受け継がれています。

筆者は、音楽を聴く際に、MC275をよく見ますが、MC275を見る度に、マッキントッシュ社への尊敬の念を覚えずにはいられません。

(文 葛西唯史)


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★元某大型輸入盤店でバイヤー歴20年
★某オーディオ機器メーカー25年勤務

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