CDのクリーニングと保管方法

CDの正式名称は、コンパクトディスク(Compact Disc)です。コンパクト=小さくまとめるの意味で、その名のとおり、1枚のディスクに音楽をコンパクトにまとめ、手軽で使いやすいのが魅力です。CDは音が良く、片手で持てる大きさで場所をとらないため、今日まで大きく普及してきました。CDは、記録層に記録されたデータをレーザー光を反射させて読み取ります。レコ―ドのように何度も針が溝(音溝)を通るわけではありません。ですから、何度も再生することでCDが痛むという事はほぼありません。ですが、CDは全く劣化しないというわけでもありません。実際には、記録されたデータは劣化しないけれど、保存方法が悪いとメディアが劣化を起こす、というのが正しい認識になります。実は、発売当初はCDは劣化しないと謳われていました。そのため、多くの人がレコードに比べて雑な扱いをしてしまったのも事実です。CDも保管方法や取り扱いを間違うと、たいせつなデータを失ってしまう事になりかねません。CDの保管方法とクリーニング方法についてご紹介します。

CD盤のクリーニング

CDはあまり汚れないし、お手入れは必要ないのでは?と思う方もいるかもしれません。ですが、CDも手で取り扱うもの。気づかぬうちに指紋や手あか、ほこりなどが付着しているものです。CDを取り扱う時は、必ず真ん中のセンターホールとディスクの外周を持ち、音が記録されているディスク面に直接触らないようにしましょう。もしディスクに汚れが付着したら、水を含ませた柔らかい布で優しく拭き取り、その後、乾いた布で拭き取ってください。軽い汚れなら乾いた布で拭くだけでOKです。使う布は、CD専用の布でもいいですし、メガネクリーナー、スマホクリーナーなどに使われるような布で大丈夫です。

拭く際に気をつけたいのが拭く方向です。レコ―ドのように溝に沿って丸く円を描くのではなく、内側から外側へと拭くようにしてください。内側から外側へ向けてまっすぐのイメージです。CDの情報は、レコード同様に渦巻き状に記録されていますが、プレイヤーがデータを読み取れない場合を想定し「エラー訂正機能」が備わっています。この機能は、前後のデータから欠けたデータを推測しています。円周と直角の傷なら欠損データは短く済みますが、円周方向の傷だと欠損が長くなる可能性があるのです。そうなると「エラー訂正機能」がうまく機能せず、いわゆる音飛びを起こし、きちんとCDが再生できなくなってしまいます。CD盤は、丸くではなく外へまっすぐ拭く、を覚えておいてください。

CDプレイヤーのクリーニング

CDプレイヤーのクリーニングは、専用のクリーナーでお手入れしましょう。クリーニングには「CD、DVDレンズクリーナー」という名前で販売されているものを使用します。CDプレイヤーだけでなくDVDプレイヤーやパソコンにも使用できます。使い方は簡単。CDと同じようにプレイヤーに入れるだけ。普通のCDと同じようにクリーニングの間はメロディーが流れ、完了するとメロディーも終了します。「CD、DVDレンズクリーナー」には湿式と乾式があります。普段のお手入れには乾式を使い、入念にお手入れしたい時は湿式を使うのがおすすめです。乾式は乾拭き、湿式は水拭きのようなイメージです。湿式の方にはクリーニング液を使うので、頑固な汚れを落とすのに適しています。

CDの保管場所 保管方法

CDは大量のデータを記録層に記録しています。保管方法が悪いと、たいせつなデータが失われる可能性があります。CDは、直射日光や急激な温度変化、湿気の多い場所は避けて保管するようにしましょう。

別のケースに入れ替えてもいい?

いくらコンパクトと言っても、大量にあるとかさばってしまうCD。10枚ぐらいまとめてCD盤だけ入れられるケースに入れたくなりますね。特にドライブなどのお出かけの際に。でも、ディスク面を痛める可能性があるので実はあまりよくないのです。やむを得ない場合を除いてはあまりおすすめしない方法です。

不織布ファイルに入れてもいい?

CDを自宅で保管する際に、不織布ファイルを使っている方も多いかと思います。不織布ファイルは、CD盤だけをケースから抜き取りファイルに入れるものですが、100枚など大量に入れられるため、CDのみならずDVDなどの管理にもとても人気です。ですが、この不織布ファイル、出し入れの際にディスク面を傷つけてしまう可能性があります。不織布はマスクにも使われる素材ですが、肌あたりが良いとはいえ、やはり摩擦が気になるものです。省スペースにはなりますが、たいせつなCDが聴けなくなっては意味がありません。人気の不織布ファイルですが、入れ替えない方が無難です。

CDは購入時のケースで保管

CDは、基本的に購入時のケースに入れて保管するようにしましょう。しっかりとセンターホールが固定されるため、ディスクを痛める心配がありません。CDは保管する際も立てて収納するようにしましょう。平積みにすると重みでケースが変形し、ディスクも痛む可能性があるのです。CDは購入したままの姿で立てて保管するのが一番です。

まとめ

CDはレコードと同様に、直射日光や温度変化が苦手で湿気も大敵です。そういった場所を避け、立てて保管するようにしましょう。また、CD、プレイヤー共に専用のクリーナーで定期的にクリーニングをすることで、長く音楽を楽しむことができます。