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音機館ジャズ大阪|グレース・マーヤ、素晴らしいジャズ/ブルースミュージシャン
1993年に大西順子がデビューして以来、日本人ジャズ・ミュージシャンの何人もが、往年の曲を新鮮な解釈で、
また50~60年代半ばまでのジャズのイディオムから逸脱することなく素晴らしいオリジナル曲をつくり出し、活躍しています。
今日は、その中の1人、グレース・マーヤさんについて、記したいと思います。
それは、2007年1月中旬のことでした。筆者は、某オーディオ店にいて、他の客がスピーカーを試聴しているのを
近くで聴いていました。
すると、ネイティブな英語での歌が流れてきました。筆者は、その歌の上手さと曲のアレンジに驚きました。
(へー。アメリカですごいジャズ・シンガーが出てきたんだなぁ)、と思いました。
それで、筆者が、オーディオ店の店員さんに誰のCDかを訊くと、グレース・マーヤという新人の日本人ミュージシャンで、
デビュー・アルバムである『The Look of Love』が、発売されて間もない、と言う話をされました。
筆者は驚き、そのCD(SACDとのハイブリット盤)を買って、帰途につきました。
家で自分のオーディオ・システムで聴いた筆者は、グレース・マーヤの歌の上手さだけでなく、
往年の曲の新鮮な解釈に驚嘆し、さらには、マーヤのピアノ・プレイにも度肝をぬかれました。
(すげー、驚異の新人の登場だ!)、そう思った筆者は、グレース・マーヤのライブに行きたくて仕方がなくなりました。
やはり、ミュージシャンの力量を知るには、ライブが最適だからです。
そうしたら、その1ヶ月後に、何と、『Last Live at Dug』というライブ・アルバムが発売されました。
Dugという老舗のジャズ・ライブ・ハウス閉店に一抹の寂しさを覚えつつ、『Last Live at Dug』を聴いた筆者は、
またまた、びっくり仰天!
ベーシスト、ギタリスト、ドラマー等々のバック陣が豪勢なのはさておき、このアルバムで聴ける
グレース・マーヤの歌とピアノのスイング感たるや、もう日本人離れしていたからです。
このアルバム、最初の「Route 66」からラストの「The Way We Were」まで、一気呵成に聴かせてしまう力を
もっているのですが、全10曲の全てが聴きどころ満載の一大傑作アルバム。
特に、「Sunny」のカッコ良さ、と言ったらハンパないです。
余談ですが、このアルバムから「Route 66」と「Kiss of Life」が、今日までマーヤさんのライブでの定番曲となっています。
ともかく、この『Last Live at Dug』、未聴の方は、是非、聴いて下さい。
このアルバムには、理屈などぬきに、ジャズのカッコ良さがびっしりつまっています。
今はなき、某レコード店の1階のSACD盤フロアーでは、売れ行きの1位、2位を『The Look of Love』と
『Last Live at Dug』が独占し、また、数多くのオーディオ店でもこの2枚がよく鳴らされ、
日本のジャズ・ファンの間で、グレース・マーヤ・ブームが生じました。
そのグレース・マーヤさん、『Just The Two of Us』、『The Girl from Ipanema』、『Poinciana』と、
安定して、作品をリリース。
筆者は、『Poinciana』発売前の2011年5月と10月に東京でグレース・マーヤさんのライブを体験したのですが、
彼女のブルースのプレイに驚嘆し、感動しました。
10月には、何と、ジョン・レノンの「Imagine」のブルース・バージョンをプレイしたのですが、
その歌とピアノのブルージーさと言ったら、もう日本人のそれじゃないのです。
目を閉じて聴くと、アメリカの傑出した女性黒人ブルース・シンガーが歌って、ピアノを弾いている、そんな錯覚を覚えました。
(エリック・クラプトンよ。反省して、ブルースの猛練習をしなさい)
そう言いたくなるほどのレベルでした。
翌、2012年には、クリスマス・ライブを筆者の住む街で行ってくれました。
その折りに、筆者はマーヤさんとお話をしたのですが、本当は、最初に、ブルースに心惹かれて、この世界に入ったらしいのです。
そんなグレース・マーヤは、ブルース・アルバムである『Close to You』をリリースしました。
ところが、この『Close to You』は、あまりブルース、ブルースしていなくて、ブルース・ファンでなくても、
気軽に楽しめる作品となっていました。
「A Sentimental Journey」、「You Don’t Know What Love Is」と言った、ジャズ・スタンダードもありますが、
ジャズにブルースの要素を加味させていて、心地よく聴ける秀作です。
この『Close to You』も気軽に聴ける、おしゃれなブルース・アルバム、ということで未聴の方は、是非、聴いて下さい。
あと、筆者は、昨年のバレンタインデー・ライブを筆者の街で聴いたのですが、マーヤさんのラテン系のキャラが楽しく、
神業のピアノ・プレイで聴衆をうならせ、素晴らしい歌で聴衆を感動させてくれました。
この時は、リリースされて間もないアルバム、『Season Songs』からのお披露目曲が多かったのです。
また、先月に、グレース・マーヤさんは、また我が街に来て下さり、ライブを行ってくれたのですが、
インストゥルメンタルでの「さくら」~「My Favorite Things」のピアノ・ソロ・プレイは、圧巻でした。
マーヤさんの手にかかると、ありきたりなピアノが、マルタ・アルゲリッチ様ご愛用のスタインウェイの音に
化けてしまうから、不思議なのです。
そのグレース・マーヤさん、ライブで、
(次のアルバムに入れる予定の曲です)、とMCをして、スティングの「Englishman in New York」をプレイしたのですが、
これは4枚目の『The Girl from Ipanema』に収録されていました。
少々、そのMCでの言葉は怪しいですが、グレース・マーヤの8枚目のアルバムが6月にリリースされます。
8枚目のアルバムでは、どんなグレース・マーヤの世界が展開されているのか、筆者は今から楽しみです。
これをお読みの皆様も、是非、聴いて下さいね。
(文 葛西唯史)
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★元某大型輸入盤店でバイヤー歴20年
★某オーディオ機器メーカー25年勤務
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