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マイルス・デイヴィスはモダン・ジャズを代表するトランぺッターとして知られています。しかしモダン期以降のジャズには、マイルス以上と思えるトランぺッターが何人もいます。それなのになぜ多くの人が代表的なジャズ・トランぺッターとしてマイルスを名をあげるのでしょうか。もしかすると、単にひとりのトランぺッターとしてではなく、彼の生み出した音楽全体を素晴らしいと感じているからではないでしょうか。
アドリブが重視されることの多いモダン以降のジャズは、時としてジャム・セッションの色が強くなってしまい、リーダーが変わっても音楽にそれほど差が生まれなくなってしまう事も多々あります。マイルス・デイヴィスはそうした状況の中で、作曲やアレンジにも目配りしたバンド・マスターでもありました。その時にマイルスが頼ったのが、ピアニストのビル・エヴァンスであり、アレンジャーのギル・エヴァンスでした。
今回は残されたレコードを通して、マイルス・デイヴィスとギル・エヴァンスの競演に迫ってみようと思います。
クール・ジャズの名盤として名高い【Birth of the Cool】は、10インチ78回転でリリースされていたレコードを再編集したものです。レコードのリリースこそ1957年ですが、録音が49年から50年であることは、そうした理由があります。この49年から50年というチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーというビバップの超高速アドリブ全盛の時代に、マイルス・デイヴィスはしっかりとしたアレンジを施された音楽を構想していたのです。
その時にマイルスが手を組んだのは、ウエストコースト・ジャズの中軸のひとりジェリー・マリガン、クラシックとジャズを融合したサード・ストリーム・ミュージックを進んだMJQのジョン・ルイス、そしてフランスの印象派音楽の音楽言語をジャズに取り込もうとしたギル・エヴァンスでした。このレコードにはギル・エヴァンスの編曲を2曲聴くことができ、これがマイルスとギルの録音上でのファースト・コンタクトとなりました。
リーダーアルバム録音の機会こそあるものの、あくまで有能なハードバッパーのひとりに過ぎなかったマイルス・デイヴィスは、50年代末にコロンビアという大レーベルと契約します。これによってマイルスは他のジャズ・ミュージシャンでは考えられないほどの制作費を手に入れることになります。
そしてマイルスが制作に乗り出したのが、ギル・エヴァンスにアレンジを依頼してのビッグバンド・コンポジションでした。ヘッドにしてもブローイング・コーラスにしても、マイルス・デイヴィスが主旋律を奏で、オケがそれに絡んでいく形なので、通常のビッグ・バンド・ジャズよりもコンチェルトに近づいた内容。そしてこの絡みが見事です。内容はモダン・ビッグバンドで先鋭的な音楽も手掛けたギル・エヴァンスとは思えないほどに爽やかな音楽で、実に気着心地の良い音楽です。20人による見事なジャズ・アンサンブルは、独立系レーベルであったブルーノートやプレスティッジ、あるいはクラシック・ジャズに傾斜していたヴァーヴなどのレーベルでは実現不可能なレコードだったでしょう。
コロンビアと契約してからしばらくのマイルスは、スモールコンボでのスタジオ録音盤、スモールコンボでのライヴ盤、そしてギル・エヴァンスとのコラボレーションによる綿密なアレンジを施した大編成ジャズ、この3つを軸にアルバムを創作しました。そんなギルとのコラボレーションの中で最も壮大なものとなったのが、ガーシュウィンの書いたオペラ「ポギーとベス」を取り扱った本作でしょう。
「ポギーとベス」はガーシュウィンによるオリジナル・スコア自体が素晴らしいのですが、それに大胆なビッグバンド・アレンジを施したギルも、このスコアを見事に吹き切ったマイルスも、見事というより他ありません。ビッグバンド・ジャズが苦手という人も、このサウンドとアンサンブルを聴かずに通り過ぎるのは惜しいです。古典とモダン、クラシックとジャズ、相反するものが見事に融合した、一生聴いていられる完成度を持つ大傑作です。
モダン・ジャズの嚆矢となったビバップからさらにジャズを発展させることに寄与した音楽に、モード・ジャズがあります。詳細の説明はここでは省きますが、クラシックに置き換えて言えば、ベートーヴェンやマーラーが作ったロマン派といわれる音楽の語法から、ドビュッシーやラヴェルといったフランス印象派といわれる音楽の語法に移った状況に似ています。似ているどころか、モダン化したジャズの一部は印象派のサウンドを追求して取り込んだのです。印象派音楽は、19世紀に三角貿易で中米からヨーロッパに持ち込まれたラテン音楽の影響を受けており、クラシックでもスペイン風の音楽が多く作られた時代があります。それをジャズで展開したのが、この【スケッチ・オブ・スペイン】です。
ジャズの世界で、早い段階でモードを展開した理論的支柱のひとりになったのがギル・エヴァンスですが、スパニッシュ・モードはもとより、アランフェス協奏曲やトラディショナルといったスペイン音楽そのものにまで正面から取り組んでいる野心作でした。
マイルス・デイビスは、ジャズというジャンルを革新し続けた稀代のトランペッター・作曲家として知られます。モダン・ジャズからエレクトリック期、フュージョンへのアプローチまで、時代ごとに大きく音楽性を変化させながらファンを魅了し続けました。
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モダン・ジャズはスモール・コンボとアドリブに大きな活路を見出した音楽なだけに、アンサンブルやビッグバンドを聴かないまま通り過ぎている人もいるかもしれません。しかしビッグ・バンドである時点で、アドリブ重視のタイプのジャズでは聴くことのできない見事なアレンジが施されていることは必然。モダン・ビッグバンドを聴いたことのない方は、一度聞いてみてはいかがでしょうか。素晴らしい世界が待っているかもしれません。
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