The Touch of Your Lips - JAZZ&ROCKレコードCDオーディオの迅速出張&宅配買取店【音機館大阪】

モダン・ジャズ黄金期の50年代、アメリカ西海岸では、従来のジャズにない見事なアンサンブルを聴かせるウエスト・コースト・ジャズが流行しました。ジミー・ジュフリー、シェリー・マン、チコ・ハミルトン楽団など、優れたアンサンブルが次々に登場しましたが、先陣を切ったのはジェリー・マリガン・カルテットでした。ピアノレスの2管編成で緻密なアンサンブルと描きつつ、見事なアドリブも織り交ぜられるなど、ジェリー・マリガン・カルテットがその後のウエスト・コースト・ジャズの方向性を決めたと言っても過言ではありませんでした。そこでトランペットを吹いていたのが、若干23歳の若手トランペッターだったチェット・ベイカーでした。

チェット・ベイカーは、正式な音楽教育こそ受けていないものの、チャーリー・パーカーから共演者として指名されるほどにアドリブ演奏の得意なトランペッターでした。その腕前はアート・ペッパーと並ぶほどで、ふたりはウエスト・コースト・ジャズの看板スターとなっていきます。さらにチェット・ベイカーは美声を生かした歌もヒットさせ、ジャズ界で独特な立ち位置を築きました。トランペットでもヴォーカルでも、ジャズの歴史に残る名演を残しています。

今回は、そんなチェット・ベイカーの名盤・人気盤を紹介させていただきます。

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■The Trumpet Artistry of Chet Baker (Pacific Jazz, 1955)

チャーリー・パーカーからの大抜擢にしても、ジェリー・マリガン・カルテットでの名演にしても、最初にチェット・ベイカーが評価されたのはトランペッターとしてでした。チェットの名を一躍有名にしたジェリー・マリガン・カルテットですが、麻薬によるマリガンの逮捕でバンドは空中分解。チェット・ベイカーはピアニストのラス・フリーマンとカルテットを結成して独立します。

チェットとフリーマンは数多くの名演を残しましたが、これはその中の1枚で、53~54年録音。カルテットからセプテットまでの編成で、室内楽風のアンサンブルを聴かせるものから、ストレートアヘッドなジャズ即興まで、バラエティに富んでいて楽しいアルバムです。のちにヴォーカルとトランペットの二刀流となったチェットですが、トランペッターとしてのチェットを聴くなら外せないアルバムではないでしょうか。

55年発売のUSオリジナル盤は深溝が入ったPacific Jazzロゴ入りで、レア度も高く、人気が高いです。以降のPacific Jazz ラベルが入ったものは日本盤で深溝ではないので、見分けがつけやすいです。また、58年以降のUS再発盤はラベルがWorld Pacific となっています。

 

■Sings (Pacific Jazz, 1954)

言わずと知れたジャズヴォーカルの大名盤で、チェット・ベイカー初のヴォーカル・アルバムでもあります。ここでもラス・フリーマンが伴奏に参加しています。

教育を受けた歌手ではないので色々と粗が目立つヴォーカルですが、中性的でナイーブな魅力は唯一無比。その魅力は、ボサノヴァのジョアン・ジルベルトが、チェット・ベイカーの歌を真似してボサノヴァの中性的な歌唱法を確立したという逸話があるほどです。

本アルバムの白眉はスタンダード・ナンバー「マイ・ファニー・バレンタイン」。多くのシンガーが歌った曲ですが、本作でのチェットの歌唱がもっとも有名ではないでしょうか。

ヨーロッパの三色旗のようなデザインのジャケットが有名ですが、54年にリリースされた最初の10インチ盤はチェット・ベイカーとラス・フリーマンが写ったモノトーンのジャケットでした。10インチ盤は8曲入りと収録曲数が少ないのですが、レア度の高さもあって1万円を優に超えるプレミア価格で取引されています。

有名な三色ジャケットは56年発表の12インチLPになってからで、深溝Pacific Jazz ラベルのUSオリジナル盤はこれまた大変な高額で取引されています。なお、三色ジャケットはUSオリジナルに限らず人気が高く、平均以上の金額で取引されているものが多いようです。

このアルバムのオリジナル音源はモノラルですが、後にステレオミックス盤が発表されたこともあります。ステレオ盤はジョー・パスのギターがオーバーダビングされ、ヴォーカルにも過剰なリヴァーブがかけられるなど、世間的な人気はいまひとつです。私もヴォーカルにかけられた過剰なリヴァーブは辛かったですが、ジョー・パスの演奏が素晴らしく、またモノラル盤未収録の「Someone Watch Over Me」が追加収録されるなど、簡単には捨てられない魅力も持っています。

 

■Chet (Riverside, 1959)

チェット・ベイカーはピアニストに恵まれたトランぺット/ヴォーカルでもありました。リバーサイド移籍後の本作ではビル・エヴァンスが伴奏を務め、鳥肌が立つほどにセンシティブな演奏を生み出しています。7分近くにわたって演奏される「Alne Together」は、トランペットもピアノも絶品、名演中の名演と思います。なお、チェット・ベイカーとビル・エヴァンスの共演は、同年発表のアルバム『Plays The Best Of Lerner & Loewe』にも収録されています。また、名ピアニストの共演としては、ポール・ブレイとのデュオ『Diane』(SteepleChase, 1985) でも、背筋が凍り付くほどに美しく感傷的な音楽を演奏しています。

人気プレイヤーふたりの数少ない共演盤という事もあり、人気の高いレコードです。

 

■The Touch of Your Lips (SteepleChase, 1979)

若い頃から麻薬癖の抜けなかったチェットは、70年に麻薬をめぐるトラブルで歯を折られて総入れ歯となり、一時ミュージシャンを引退します。73年から復帰しますが、以降のチェット・ベイカーは、トランペッターとしては息が抜けてしまうというハンデを背負い、これ以上ないほどに内省的な響きを持つ音楽を奏でるようになりました。その美しさと切なさは筆舌に尽くしがたいもので、その代表作に挙げたいのが本作です。ドラムレスでギターとウッドベースだけを伴奏に、トランペット歌で訥々と語ります。トランペットの演奏ですら歌のように感じられる音楽です。

 

■内省的な詩的な音楽は、チェット・ベイカーの人生を音にしたよう

優れた演奏だけでなく、整った容姿もあってハリウッド・スターのような人気を博しながら、麻薬に溺れ、ジャズマンとして生涯を過ごしたチェット・ベイカーの最後は、ツアー先のホテルの窓からの転落死でした。自殺を疑われたもの真相は不明のままで、折りしも撮影されていたチェット・ベイカーのドキュメンタリー映画『レッツ・ゲット・ロスト』も、突然終わります。ビル・エヴァンスと奏でた「Alone Together」や、ポール・ブレイと奏でた「Every Time We Say Goodbye」のような、美しく切ない生涯でした。

もし、チェット・ベイカーのレコードを譲ろうと思っていらっしゃる方がいましたら、その価値が分かる専門の買い取り業者に査定を依頼してみてはいかがでしょうか。

 

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