P-0S

思い出のベストセラー・オーディオ機器|エソテリック,マーク・レヴィンソン

今回はオーディオについてですが、皆様のご記憶に新しいベストセラー・オーディオ機器について記したいと思います。

オーディオ初心者の方には、(そんなこともあったんだ)、と思っていただければ幸いです。

 

1・エソテリック・P-0S<VUK>

 

P-0S

 

ティアックのハイエンド・ブランドであるエソテリックから、超弩級のCDトランスポート、P-0が登場したのは、1997年秋。

もう20年近く前になります。

 

このP-0の登場は大センセーションを巻き起こして、某オーディオ雑誌のベストバイ・コンポーネントで、オーディオ評論家の全員が5段階評価で5をつけたものでした。

 

当初のP-0の段階では、ドライブ回転メカの動作音がしたものの、その超弩級の筐体がすくい上げる音は絶筆で、(CDには、こんな音も入っていたんだ・・・・・・)、と、唖然とした人は多いはず。

 

筆者は、翌年にDACにマーク・レヴィンソンのNO360Lとの組合せでP-0の音を聴きましたが、その余りの自然な音(すなわち、デジタル臭くない音等々)に驚愕したものでした。

 

筆者はオーディオ店で、スメタナの「モルダウ」の冒頭部を聴いて、冒頭の音が、ふっ、と自然にJBLの4344MKⅡから現れた時には、決して大げさではなく、戦慄を覚えました。

 

そして、このP-0、後にドライブ回転メカの動作音を消去してP-0Sとして登場しましたが、P-0でお値段が120万円、P-0Sでお値段が160万円(P-0からP-0Sへのバージョン・アップ代、40万円)で、極めて高価なのに、また、CDトランスポートであるのにも係わらず、双方併せて、約1,600台も売れたのです。

 

そして、後にP-0Sのオーナーの多くが<VUK>にバージョン・アップをしました。バージョン・アップ代は40万円。しめて、200万円です。

 

当時の筆者にP-0を新品で購入できるお金などなく、P-0S<VUK>のオーナーになれた方々をうらやましく思ったものでした。

 

筆者は、21世紀に入ってから発売されたP-0のジュニア機、P-50S<VUK>を購入し、愛機にしていました。

 

P-0S<VUK>のオーナーは、SACDの時代に入りながらも、DACにマーク・レヴィンソン、dCS、ワディアのいずれかを組み合わせて、自身のサウンドをつくっていました。

 

そして、筆者は、2007年にP-0S<VUK>を中古で購入し、中古で購入して使っていたマーク・レヴィンソンのNO360Lと組み合わせて鳴らしました。

 

この時の感激度と言ったら、未だに鮮明に思い出せます。

 

更に筆者は、これまた中古のマーク・レヴィンソンのNO30.6Lを購入し、P-0S<VUK>と組み合わせて、CDのサウンドを楽しんでいました。

 

現在、このP-0S<VUK>を彷彿させるCDトランスポートとなりますと、同社のグランディオーソ・P-1になってしまいます。

 

筆者は訳あって、昨年、P-0S<VUK>を(NO30.6Lも)手放しましたが、P-0S<VUK>は、日本のオーディオ史に残る金字塔と言っても過言ではないでしょう。

 

2・マーク・レヴィンソン・NO32L

 

NO32L

 

米マドリガル社が満を持して、マーク・レヴィンソンのNO32Lを発売したのは、1999年。

この32Lの登場も大センセーションでした。

 

32Lの構造等々については、ネットで検索をすればご覧になれますので、どこにも書かれていない32Lの音について記します。

 

その音(音質)とは、マーク・レヴィンソンLNP―2Lの後期型の音を現代的にしたものでした。

 

お値段が300万円(後に、為替レート円安になって、320万円になる)なので、筆者はオーディオ店で試聴するだけだったのですが、その破綻のない優等生的な音に少々の違和感を覚えながらも、(いい音だな)、と思ったものでした。

 

このマーク・レヴィンソンのNO32Lも極めて高価なのにも係わらず、約600台も売れた模様です。

お値段がお値段なのに、約600台のセールスは、大ベスト・セラーと言って良いでしょう。

 

NO32Lは、1999年の登場以来、2007年頃まで、プリ・アンプの王者としての扱いを受けていたものです。

 

それで筆者は、2007年にあることから、NO32Lを自宅試聴しました。

 

そうしたら、オーディオ・システム自体が良くまとまった印象を受けて、中古でNO32Lを購入しました。

 

ところが、子細は省きますが、約2年を経て、(LNP-2や#7の方が良い)、となって、NO32Lを手放しました。

 

されど、大枚をはたいてNO32Lを新品で購入したオーナーの方々の気持ちは判りました。

 

破綻のない優等生な音なのですが、年齢が高くなってきますと、イケイケな音よりも落ち着いた音を好む人が多く、そうした方々にNO32Lは支持されました。

 

筆者は、50歳なのにも係わらず、イケイケな音を好みますが。

 

ともあれ、NO32Lの大ベストセラーはセンセーションでした。

 

3・高級機キラー、フィリップスLHH900R

 

 

今度はリーズナブルなお値段で大ベスト・セラーを記録したフィリップスのLHH900R取り上げましょう。

 

筆者は、LHH700を1992年に購入し、長年にわたって愛機としていましたが、フィリップス社はその後、LHH800Rを出して、700と800Rの良いとこ取りをしたLHH900Rを出しました。

時は、1996年。

 

LHH900Rは、その余りの高音質から、より遙かに高価なCDプレーヤーを下取りに出して、LHH900Rを購入する人が続出、という珍現象が生じました。

 

筆者はLHH700で頑張っていましたが、その高音質には目を見張ったものです。

 

エソテリックがP-0を出し、マーク・レヴィンソン、dCS、ワディアのDACが熟成されるまでは、「LHH900Rこそが最高」、と呼ばれたものでした。

 

良き思い出です。

(文 葛西唯史)
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★元大手レコード会社16年勤務
★元某大型輸入盤店でバイヤー歴20年
★某オーディオ機器メーカー25年勤務

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